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間取りより大切な「生活の流れ」の話

2026.02.16

 

家づくりの打ち合わせでは、「LDKは何帖にしますか」「部屋数はいくつ必要ですか」といった間取りの話が中心になりがちです。もちろん間取りは大切ですが、実際に住み始めてからの満足度を左右するのは、図面上の配置よりも「生活の流れ」が自分たちの暮らしに合っているかどうかです。見た目が良く、広さも十分なのに、なぜか暮らしにくい家があります。その原因の多くは、毎日の行動と空間のつながりがうまく噛み合っていないことにあります。ここでは、間取りよりも先に考えておきたい「生活の流れ」について掘り下げていきます。

 

 

生活の流れとは「人がどう動くか」のこと

 

生活の流れとは、朝起きてから夜寝るまで、家の中で人がどのように動くかという一連の行動のことです。起床後に洗面へ行き、着替えをして、キッチンで朝食の準備をし、玄関から出かける。この一つひとつの動きが自然につながっているかどうかで、暮らしやすさは大きく変わります。間取りだけを見ていると、部屋の位置や広さに目が向きがちですが、実際の生活では「何をしてから次にどこへ行くか」が重要です。この流れが分断されていると、無駄な移動や小さなストレスが積み重なり、「なんとなく使いにくい家」という印象につながります。

 

 

間取りが良くても暮らしにくくなる理由

 

よくあるのが、LDKが広くて開放的なのに、片付かない、動きにくいと感じるケースです。原因をたどると、生活の流れが考えられていないことが多く見られます。

例えば、帰宅後の動線です。玄関からリビングを通って洗面へ行く間に、上着やカバンを置く場所がなければ、ソファや床に仮置きされがちになります。これは収納が足りないのではなく、行動の途中に収納が存在しないことが問題です。間取りとしては成立していても、生活の流れとズレていると、日々の暮らしの中で小さな不便が積み重なっていきます。

 

 

朝と夜で違う生活の流れを意識する

 

生活の流れは一日を通して一定ではありません。朝は時間に追われ、家族が同時に動くことが多くなります。一方、夜は比較的ゆったりと過ごす時間が増えます。

朝の支度が重なる時間帯に、洗面やトイレの動線が交錯していると、混雑やストレスが生まれます。逆に、夜はリビングでくつろぎながら、自然にキッチンや洗面へ行き来できると、暮らしに余裕が生まれます。

こうした時間帯ごとの動きを想像せずに間取りを決めてしまうと、住み始めてから「朝がとにかくバタバタする家」になってしまうことがあります。

 

 

家事は「作業」ではなく「流れ」で考える

 

家事動線も生活の流れを考えるうえで欠かせません。料理、洗濯、掃除といった家事は、それぞれが単独で存在しているわけではなく、連続した行動として行われます。

洗濯であれば、洗う、干す、取り込む、たたむ、しまうという一連の流れがあります。この流れがスムーズにつながっていないと、途中で作業が止まりやすくなり、結果として洗濯物が溜まる原因になります。

間取り上は問題なく見えても、実際の動きを想定すると遠回りが多いケースは少なくありません。生活の流れに沿った配置にすることで、家事の負担は大きく変わります。

 

(例)

 

 

家族それぞれの流れが重なる場所に注意する

 

家族が暮らす家では、一人ひとりの生活の流れが同時に発生します。とくに重なりやすいのが、玄関、洗面、キッチンといった場所です。家族全員が使う場所ほど、流れが集中します。その集中を前提に考えず、見た目や広さだけで決めてしまうと、使いにくさを感じやすくなります。誰が、いつ、どのように使うのかを想像することで、必要な余白や配置が見えてきます。

 

 

将来の生活の流れも想定しておく

 

家は長く住み続ける場所です。今の生活だけでなく、数年後、十年後の生活の流れも考えておくことが大切です。子どもの成長、働き方の変化、家で過ごす時間の増減など、暮らしは必ず変化します。

将来の変化を想定していないと、後から無理に家具を置いたり、動線を塞いだりすることになり、生活の流れが崩れてしまいます。変化を受け止められる余白がある家は、結果として暮らしやすさが長く続きます。

 

 

生活の流れから考える家づくりが後悔を減らす

 

間取りは目に見えやすく、比較もしやすい要素ですが、生活の流れは図面だけでは見えにくい部分です。だからこそ、家づくりの初期段階でしっかりと考えておくことが重要になります。

暮らしやすい家は、特別な設備がある家ではありません。毎日の行動が無理なくつながり、意識しなくても自然に動ける家です。間取りを見る前に、自分たちの一日を思い浮かべてみることが、後悔しない家づくりへの第一歩になります。