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吹き抜けのあるリビングは本当に寒い?後悔しないために知っておきたい家づくりの考え方
2026.01.19

吹き抜けのあるリビングに憧れを持つ方は多い一方で、「冬は寒そう」「冷暖房が効きにくそう」といった不安の声もよく聞かれます。このイメージが生まれた背景には、過去の住宅性能や間取りの考え方が大きく影響しています。以前の住宅は断熱性能や気密性能が十分とは言えず、窓や壁、天井から熱が逃げやすい構造でした。その状態で天井が高く、上下に空間が広がる吹き抜けをつくると、暖かい空気が上に逃げ、足元が冷えるという現象が起きやすくなります。この経験や話が広まり、「吹き抜け=寒い」という印象が定着していきました。
しかし、現在の注文住宅は、家全体の性能や設計の考え方が大きく進化しています。吹き抜けが寒いかどうかは、単純に「空間が広いから」ではなく、家づくり全体のバランスで決まるようになっています。
吹き抜けが寒く感じる家の共通点
吹き抜けのあるリビングが寒くなる家には、いくつか共通する特徴があります。その多くは、吹き抜けそのものではなく、別の要因が重なっているケースです。
まず影響が大きいのが断熱性能です。壁や天井、床の断熱が不十分な場合、せっかく暖めた空気が外に逃げやすくなります。吹き抜けは天井面積が増えるため、断熱が弱いと寒さを感じやすくなります。
次に気密性です。隙間が多い家では、暖房をつけても冷たい外気が入り込み、室内の温度が安定しません。吹き抜けがあることで空間が広がり、その影響がより顕著に現れることがあります。
さらに、窓の性能や配置も重要です。吹き抜け部分に大きな窓を設けた場合、窓の断熱性能が低いと冷気が伝わりやすくなります。特に北側や日当たりの悪い位置にある窓は、寒さの原因になりやすいポイントです。
このように、吹き抜けが寒いと感じる家は、「吹き抜けが原因」というよりも、「住宅性能や設計のバランスが取れていない」ことが根本的な理由であることが多いのです。
吹き抜けがあっても寒くならない家の条件
一方で、吹き抜けがあっても冬でも快適に過ごせる家には、明確な共通点があります。ポイントは、空間の大きさに見合った性能と設計がなされているかどうかです。
まず重要なのが、断熱性能の高さです。天井や壁、床にしっかりと断熱材が施工されていれば、空間が広くても室内の熱は外に逃げにくくなります。特に吹き抜け部分の天井断熱は、快適性を左右する大きな要素です。
次に、気密性が確保されていることも欠かせません。隙間が少ない家では、冷たい外気の侵入を防ぎ、室内の温度ムラを抑えることができます。吹き抜けがあるからこそ、家全体の気密性能が重要になります。
さらに、窓の性能と配置も大きなポイントです。断熱性能の高い窓を採用し、日射取得が期待できる位置に配置することで、冬でも室内に暖かさを取り込むことができます。吹き抜けの高い位置に設けた窓から光が差し込むと、視覚的にも体感的にも暖かさを感じやすくなります。
これらの条件がそろっていれば、吹き抜けがあっても寒さを感じにくい、快適なリビングを実現することができます。

冷暖房計画で快適性は大きく変わる
吹き抜けのあるリビングでは、冷暖房の考え方も重要になります。よくある誤解として、「吹き抜けがあるとエアコンが効かない」という声がありますが、これは適切な計画がされていない場合に起こるものです。空間の広さに合わせた能力のエアコンを選び、設置位置を工夫することで、吹き抜けがあっても十分に室温をコントロールすることは可能です。暖かい空気は上に溜まりやすいため、サーキュレーターやシーリングファンを併用することで、上下の温度差を抑えることができます。
また、家全体の断熱・気密性能が高い家では、エアコンを強く使わなくても、少ないエネルギーで快適な室温を保つことができます。吹き抜けのある家ほど、「設備頼り」ではなく「家そのものの性能」が快適性を左右すると言えるでしょう。
吹き抜けがもたらすメリットにも目を向ける
寒さの不安ばかりが注目されがちですが、吹き抜けのあるリビングには多くのメリットがあります。まず挙げられるのが、開放感です。天井が高くなることで、同じ床面積でも実際以上に広く感じられ、家族が集まるリビングに心地よい余裕が生まれます。
また、光を取り込みやすい点も大きな魅力です。高い位置に窓を設けることで、日中は照明に頼らなくても明るい空間を保つことができます。自然光がたっぷり入るリビングは、家族の気分を明るくし、暮らしの質を高めてくれます。
さらに、上下階のつながりを感じられる点も、吹き抜けならではの特徴です。2階にいる家族の気配を感じられたり、声が届きやすかったりと、家族の距離が近くなる間取りとして選ばれることも多くあります。
吹き抜けを採用する前に考えておきたいこと
吹き抜けのあるリビングを後悔しないためには、事前にいくつかの点をしっかりと検討しておくことが大切です。
まず、自分たちの暮らし方に合っているかどうかを考える必要があります。開放感を重視したいのか、冷暖房効率や音の問題を優先したいのかによって、最適な間取りは変わります。
次に、住宅会社が吹き抜けを前提とした性能設計を行っているかも重要です。吹き抜けの実績が多く、断熱・気密・空調計画まで含めて提案してくれる会社であれば、不安を減らしながら家づくりを進めることができます。吹き抜けは、単なるデザイン要素ではなく、家全体の設計と深く関わる空間です。だからこそ、見た目だけで判断せず、性能や暮らしやすさまで含めて検討することが大切です。
吹き抜けは「寒い」ではなく「設計次第」
吹き抜けのあるリビングが寒いかどうかは、空間の広さだけで決まるものではありません。断熱性、気密性、窓の性能、冷暖房計画といった要素がバランスよく整っていれば、冬でも快適に過ごすことができます。大切なのは、「吹き抜けは寒いからやめる」と決めつけるのではなく、「どうすれば快適にできるか」を考えることです。正しい知識と適切な設計によって、吹き抜けは暮らしを豊かにしてくれる大きな魅力となります。これから注文住宅を検討する方は、ぜひ吹き抜けのメリットと注意点を正しく理解し、自分たちの暮らしに合った形で取り入れてみてください。