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ペットと家族が心地よく暮らすために。住まいづくりで考えておきたいこと

2025.12.01

 

 

犬や猫、うさぎ、小鳥。どんなペットであっても、家族にとって大切な存在であり、毎日の暮らしを豊かにしてくれる存在です。だからこそ、住まいづくりの過程でペットのことをしっかりと考えることは、家族全員の快適さに直結します。注文住宅であれば、生活スタイルやペットの種類、性格に合わせて細かな工夫を取り入れることができ、既製住宅では得られない快適性や安全性を実現できます。本記事では、ペットと暮らす家における設計の考え方や、暮らしをより豊かにする工夫を丁寧に紹介していきます

 

 

住まいの中に「居場所」をつくるという考え方

 

ペットと暮らすうえで大切なのは、家族の一員であるペットにも心地よい居場所が必要であるという視点です。リビングの一角に落ち着けるスペースをつくったり、ソファ下やカウンター横など、ペットが好んで滞在しやすい場所を見極めながら、専用の空間を設けることで、お互いの生活がより快適になります。例えば犬であればケージやベッド、猫であればキャットタワーや隠れ家スペースなど、ペットの行動特性に合わせた空間づくりがとても重要です。また、ペットは環境の変化に敏感なため、家全体の動線や家族の視線が自然と届く場所に居場所を配置することで、不安を感じにくい落ち着いた生活を実現できます。

 

 

生活動線とペット動線を整えるという発想

 

人の暮らしやすさを考える際に「家事動線」が重視されるように、ペットにも快適な動線があります。玄関からリビングまでの動き、トイレスペースへの行きやすさ、食事をする場所の落ち着き、庭への行き来など、暮らしの中のあらゆる動きを事前にイメージしながら設計に反映することが大切です。特に大型犬を飼っている家庭では、散歩帰りに足を拭ける洗面スペースや、泥汚れを落とせる外水栓を玄関近くに設けることで、毎日の負担は大きく変わります。一方、猫の場合は上下移動を好むため、家の中で自由に移動できるステップやキャットウォークの設置が有効です。人の動線とペットの動線が交差しにくく、かつ自然に安心できる距離感で同居できる配置が理想的です。

 

 

ニオイや衛生面の対策を考えた空間設計

 

ペットと暮らすうえで気になりやすいのが、ニオイや抜け毛、汚れなどの衛生面での課題です。注文住宅であれば、建材や設備選びによってこうした課題を大きく軽減することができます。リビングや廊下などの床材には、キズや汚れに強く、お手入れしやすい素材を選ぶことが重要です。クッションフロアやタイル、傷に強いフローリングなどはペットとの相性が良く、日常清掃もしやすい選択肢として人気です。また、トイレのニオイ対策には、換気扇をペットトイレスペース専用に設置することも有効です。さらに、玄関土間にペット専用の洗い場を設ければ、散歩後の汚れを家の中に持ち込まず、生活空間を清潔に保つことができます。

 

 

収納計画とペット用品の整理術

 

ペットと暮らす家庭では、想像以上に多くのグッズが必要です。食事用品、トイレ用品、掃除用品、ケア用品、洋服、おもちゃなど、生活に関わるアイテムは多岐にわたります。これらを家のどこに、どの量を、どの頻度で使うのかを考えながら収納計画を立てることで、暮らしは大きく整います。例えば、リビングに近い場所にペットの食事用品や日常的に使うケア用品をまとめられる収納を設けたり、玄関に散歩グッズを置ける棚やフックを設計段階でつくっておくと、普段の動きがスムーズになります。また、おもちゃをすぐに片付けられるよう、背の低い収納ボックスをリビングに設置すれば、自然と生活感も軽減され、家全体が整った印象になります。

 

 

安全性を考えた家づくり

 

ペットは好奇心が旺盛で、時には家の中の危険に気づかず行動してしまうことがあります。小さな段差やコード類、窓の開閉部分、階段の踏み面の滑り具合など、事故を防ぐ設計はとても重要です。特に高齢の犬や猫の場合、足腰への負担が大きくなりやすいため、滑りにくい床材や段差の少ない動線にすることで安心して暮らすことができます。また、キッチンはペットにとって危険が多い場所でもあります。ゲートの設置や、誤飲を防ぐためにゴミ箱を内蔵する収納など、安全を確保する工夫が欠かせません。さらに、外構計画においても脱走を防ぐためのフェンスやドッグランスペースの確保などが求められます。

 

 

ストレスを軽減するための空間演出

 

ペットは環境や音、光などによってストレスを感じることがあります。住宅の設計段階で静かな場所をつくり、ペットが安心して休めるスペースを確保することはとても大切です。例えば、リビングのにぎやかさから少し離れた場所に小さな個室のようなスペースをつくったり、キャットウォークで高い位置に落ち着ける場所を用意するなど、ペットにとっての安心ポイントを設計に織り込むことで、家全体がペットにとって快適な環境になります。また、日当たりや風通しも重要で、自然光が入りすぎる場所では暑くなりすぎたり、逆に日当たりが悪い場所では落ち着かない場合もあります。適度な光と風が保てる空間づくりが理想です。

 

 

家族とペットが心地よく同居するための工夫

 

ペットと暮らす家づくりでは、家族全員が快適に過ごせるバランスを取ることが大切です。ペットが自由に動き回れる開放的な空間は魅力的ですが、同時に人がストレスなく暮らせる家事動線や収納計画も重視する必要があります。例えばリビングを広く取る設計は、ペットがのびのび遊びやすい一方で、家具の配置や家族の動きが干渉しないよう工夫が求められます。また、アレルギーに配慮した換気計画や、家族とペットが自然に顔を合わせられるリビング中心の動線など、共に暮らすうえで心地よい距離感とつながりが生まれる設計が理想的です。

 

 

まとめ

 

ペットと暮らす家づくりは、単にペットスペースを設けるだけではありません。生活動線、収納、衛生、日当たりや温度環境、そして安全面。さまざまな視点からバランスよく工夫を重ねることで、家族とペットの双方が心地よく暮らせる住まいが実現します。注文住宅であれば、ペットの性格や生活習慣に合わせて細かい設計を反映できるため、毎日の暮らしはより安心で楽しいものになります。家は家族にとっての帰る場所であり、ペットにとっても生涯を過ごす大切な環境です。ペットとともに暮らす幸せを長く育むために、家づくりの段階からペット目線の工夫を取り入れ、より豊かで快適な住まいをつくっていきましょう。