スタッフブログ・家づくりコラム
ファミリークローゼットとつなげる、“しまえるランドリールーム”のすすめ
2025.11.10

毎日の家事の中で、意外と時間と労力を使うのが洗濯です。洗う・干す・取り込む・たたむ・しまう——この一連の動作を、家の中で何度も行き来しながらこなしている人は多いでしょう。特に子育て世帯では、洗濯の回数も多く、家族分の衣類やタオルを運ぶだけでもひと苦労です。そんな負担を軽減し、効率的に家事をこなすための新しい考え方として注目されているのが、ランドリールームとファミリークローゼットをつなげる間取りです。単に洗濯スペースを設けるだけでなく、しまうまでを一貫して完結できる設計にすることで、驚くほど家事がスムーズになります。
「洗う→干す→しまう」を一連の動線に
ランドリールームとは、洗濯機や乾燥機を設置する専用スペースに、室内干しやアイロンがけ、たたみ作業などができる機能を持たせた空間のこと。従来は脱衣室の一角や洗面所に洗濯機を置くことが一般的でしたが、最近では独立したランドリールームを設ける家が増えています。ここにファミリークローゼットを隣接させることで、洗濯動線が劇的に変わります。たとえば、洗濯機で洗って乾燥→そのまま隣のスペースで干す→乾いたらすぐにクローゼットへ収納、というように、洗う→干す→しまうの一連の流れが一室内で完結します。動線が短くなるだけでなく、洗濯物をリビングや寝室に持ち込む必要もなくなるため、家の中が散らかりにくくなるのも大きなメリットです。家事のストレスを減らすうえで、移動距離を短くすることはとても重要なポイントです。
家族全員が使いやすいファミリークローゼットの魅力
ファミリークローゼットは、家族全員の衣類やバッグ、タオル、季節物の布団などをまとめて収納できる大型の共有クローゼットです。ランドリールームとつなげることで、洗濯物の収納動線が一本化され、家族みんなが自分で取り出し・戻す習慣を持ちやすくなります。特に共働き世帯や子育て世帯では、朝の支度や帰宅後の片づけがスムーズになります。子どもが自分の服を自分で管理できるようになり、家事負担の分担にもつながるのです。また、1階に配置すれば家事をすべてワンフロアで完結できるため、階段の上り下りも減らせます。このように、ランドリールーム+ファミリークローゼットの組み合わせは、効率だけでなく、家族の暮らし方をも変える設計です。

室内干し・乾燥にも強い快適設計に
ランドリールームを快適に使うためには、乾きやすさと通気性を意識した設計が欠かせません。近年は、共働きや花粉・黄砂対策のために室内干しを選ぶ家庭が多くなっています。そのため、換気・除湿・採光のバランスが大切になります。たとえば、24時間換気システムに加え、サーキュレーターや除湿機の設置を想定して電源位置を工夫しておくと便利です。窓を設ける場合は、風が抜けやすいよう対角線上に配置するのがおすすめです。また、断熱性・気密性を高めることで、冬場の乾きにくさや結露も防げます。さらに、「ガス乾燥機乾太くん」や「ヒートポンプ式ドラム乾燥機」などを組み合わせることで、天候に左右されず1年中快適に洗濯ができます。ランドリールームは電気・ガス・水まわりが集中するため、計画段階から設備配置を検討することが大切です。
コンパクトでも使いやすい間取りの工夫
ランドリールームと聞くと「広い家でないと無理」と思う方もいるかもしれません。しかし、実際には2帖〜3帖程度のスペースでも十分に機能させることが可能です。たとえば、壁面に折りたたみ式カウンターを設ければ、アイロンがけやたたみ作業を効率的に行えます。天井に昇降式の物干しユニットを取り付けることで、使用しないときはスッキリ収納できます。また、ファミリークローゼット側の壁にオープン棚や引き出し収納を組み合わせれば、乾いた衣類をそのまま仕分けして収納できます。限られたスペースをどう有効に使うかは、設計力の見せどころです。家事のしやすさは、床面積の広さよりも、動線と収納の設計で決まります。
デザインと快適性も両立するランドリールーム
近年は、ランドリールームも見せる空間としてデザイン性を重視する傾向があります。洗剤やタオルの収納をオープン棚にする場合は、ボトルやバスケットを統一するだけでホテルライクな印象に。壁材に調湿効果のある素材(エコカラットや珪藻土など)を採用するのも効果的です。床は水や湿気に強い素材を選び、メンテナンス性も考慮しましょう。毎日使う場所だからこそ、清潔感と心地よさを兼ね備えた空間にすることで、洗濯が好きになるような気分を生み出します。照明は明るさだけでなく、色温度にも配慮すると快適です。昼白色の照明で洗濯物の汚れを見落としにくくしつつ、夜のアイロンがけもストレスなく行える明るさを確保します。

見せない動線で暮らしをすっきり整える
ランドリールームを設ける最大のメリットは、家事効率だけでなく生活感を隠せることにもあります。リビングや廊下から直接見えない位置に配置することで、急な来客時にも慌てずに済みます。さらに、キッチンや洗面室と回遊できる動線にすれば、家事の同時進行もスムーズです。たとえば、朝の身支度をしながら洗濯機を回し、朝食の片づけのタイミングで干す、といったながら家事が自然にできるようになります。使いやすさと見えにくさを両立した動線計画は、毎日の小さなストレスを減らし、暮らし全体を快適にしてくれます。
まとめ
ランドリールームとファミリークローゼットをつなげる間取りは、単なる家事ラク設備ではなく、暮らしを整える仕組みそのものです。洗う・干す・しまうの動線を一体化することで、家の中が片づきやすくなり、毎日の時間のゆとりが生まれます。これから家づくりを検討する方は、ぜひどこで干すかではなくどこまでを一連で終わらせるかという視点でランドリールームを考えてみてください。限られたスペースでも、工夫次第で驚くほど快適な家事動線をつくることができます。エステージでは、ZEH基準の高断熱性能を活かし、湿気や温度差を抑えた快適なランドリールーム設計をご提案しています。ファミリークローゼットとの一体プランも可能です。