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収納は“量”より“動線”がカギ!間取り設計で叶えるストレスフリー収納

2025.11.03

 

収納がたくさんある家にしたい。家づくりを始めると、多くの人が思い浮かべる希望です。しかし実際に暮らし始めると、収納はあるのに散らかる、どこにしまえばいいかわからないと感じることも少なくありません。その原因は、収納の量ではなく、収納の位置にあります。どんなに広い収納スペースがあっても、動線の中に適切に配置されていなければ、日々の生活の中で使いづらく、結果的に片付かない家になってしまうのです。この記事ではそんな収納について詳しく解説していきます。

 

 

収納の量ではなく「動線」で決まる暮らしやすさ

 

収納スペースを増やせば片付く、という考え方は一見正しそうに思えます。けれども、使う場所としまう場所が離れていると、どうしても仮置きが増えてしまいます。たとえば、玄関で脱いだ上着をリビングのソファに置いたままにしてしまう、ランドセルを子ども部屋まで運ばずリビングに置きっぱなしにしてしまう、そんな小さな積み重ねが生活の乱れにつながっていきます。

また、洗濯動線を考えてみても、洗う・干す・たたむ・しまう、という一連の流れが家の中で分断されていると、家事に無駄が生まれます。収納とは、単にものをしまう場所ではなく、暮らしの流れの中に自然に溶け込んでいるべきもの。つまり、生活動線の中に収納を計画できているかどうかが、家の快適さを大きく左右します。

 

 

ストレスのない収納は動線に寄り添う設計から

 

帰宅してからリビングでくつろぐまでの動きを思い浮かべてみましょう。靴を脱ぎ、コートを掛け、バッグや鍵を置いて、洗面で手を洗い、ようやくリビングへ。この流れの中で収納の位置がスムーズに連なっていれば、片付けが動作の一部になり、散らかる心配がありません。玄関には靴だけでなくコートや傘、ベビーカーなども収納できる土間収納を設け、そこから直接洗面やリビングへアクセスできるようにする。さらに、帰宅後にすぐ荷物を片付けられるよう、玄関からの動線上にファミリークローゼットを配置するのもおすすめです。このように、帰宅から生活空間へ向かう流れを意識した動線設計こそが、ストレスフリー収納の第一歩といえます。

家事動線の中に収納を組み込むことも、暮らしを快適にする重要なポイントです。
洗濯動線を例に挙げると、脱衣室の隣にウォークスルークローゼットを配置し、洗濯後すぐに干せてそのまま収納できるようにすれば、家事の移動距離を大幅に短縮できます。
また、洗濯機の横にタオルや洗剤を置ける棚を設けておけば、日常のちょっと取りたいが一歩で完結します。さらに、使う場所のそばに収納をつくるという考え方も大切です。リビングには家族全員が使う文房具や書類をまとめられる収納を、キッチンの近くにはパントリーを、脱衣所にはタオルや下着を収納できるスペースを設けておくと、必要なものがすぐ手に届く暮らしになります。わざわざ別の部屋に取りに行く必要がない収納動線は、日常の小さなストレスを驚くほど減らしてくれます。

 

 

家のタイプ別に考える収納設計のポイント

 

平屋の場合は、すべての生活がワンフロアで完結するため、動線が短くシンプルです。その反面、収納を分散しすぎると空間が狭く感じてしまうことがあります。家の中心に大容量のファミリークローゼットを設け、各部屋からアクセスできるようにすると、収納動線が回遊しやすくなり、洗濯・着替え・片付けが一箇所で完結します。これにより、生活スペースがすっきりとまとまり、家事効率も高まります。

二階建て住宅では、上下階で生活動線が分かれるため、用途別に収納をゾーニングする意識が大切です。一階には外出や家事関連の収納、二階には衣類や寝室まわりの収納をまとめるなど、階ごとに役割を明確にしておくと、無駄な移動を減らすことができます。玄関収納、リビング収納、パントリーなどは一階に、ウォークインクローゼットや納戸は二階に設けると動線が自然に整理され、暮らしがスムーズになります。

ガレージハウスや趣味型住宅では、生活空間と趣味空間を分ける収納計画がポイントです。玄関土間やガレージ横にアウトドア用品や工具専用の収納を設ければ、室内を汚すことなく趣味を楽しめます。生活動線と趣味動線を分けることで、どちらの時間も快適に過ごせる住まいになります。

 

 

 

実例に学ぶ「片付く間取り」

 

あるご家族は、脱衣室の隣にウォークスルークローゼットを設け、洗濯物を干してそのまま収納できるようにしました。取り込んだ洗濯物をたたんで各部屋に運ぶ手間がなくなり、家事時間が大幅に短縮。
忙しい共働き家庭でも無理なく片付く暮らしを実現しています。

別のご家庭では、リビングの一角に造作収納と、とりあえずボックスを設け、子どものプリントやおもちゃをすぐにしまえるようにしました。帰宅後に散らかりがちなリビングが常に整い、来客時も慌てる必要がなくなったそうです。収納は片付ける意識ではなく自然に片付く流れを生むことが目的であり、その鍵が動線設計なのです。

また、収納には「見せる収納」と「隠す収納」のバランスも大切です。リビングなどの共用空間では見せる収納でインテリア性を高め、キッチンや脱衣所のような実用空間では隠す収納を中心にすることで、見た目の美しさと使いやすさを両立できます。デザインと機能の調和が取れた収納は、暮らしに上質な心地よさをもたらします。

 

 

家族のリズムに寄り添う収納設計を

 

収納は、単にモノを収めるための場所ではなく、家族の暮らしのリズムに寄り添う仕組みです。小さな子どもがいる時期、夫婦二人の時期、そして将来の暮らし方によって、必要な収納の位置も量も変わります。家を建てる時点での今だけでなく、数年後の暮らし方を見据えた収納計画を立てることで、長く快適な住まいが実現します。動線の途中に自然に収納を配置し、家事動線と一体化させ、家族全員が迷わず使える場所に設計する。これらを意識するだけで、暮らしの中に“片付けるストレス”がなくなり、家全体に心地よい流れが生まれます。収納は量よりも「動線の質」が大切――この視点が、快適な家づくりの第一歩です。

 

 

エステージの提案する「動線美のある家」

 

エステージでは、動線と収納の関係を丁寧に考えた設計提案を行っています。ZEH基準の断熱性能、HEAT20 G2相当の快適性、そしてTRC制震ダンパー®による地震に強い構造を備えつつ、日常の暮らしやすさにもこだわっています。設計士が家族一人ひとりの生活パターンをヒアリングし、家事動線や収納の使い方まで含めてプランニングを行うことで、“動線美”のある間取りを実現しています。見た目のデザインだけでなく、暮らし方そのものをデザインする。それが、エステージの家づくりです。