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家づくりで考えておきたい防犯の基本と窓・ドア周りの対策

2025.09.15

 

 

注文住宅を検討するとき、多くの人が間取りやデザイン、収納の使いやすさといった住み心地に注目します。しかし、忘れてはならないのが防犯性です。特に戸建て住宅はマンションに比べると外部からの侵入経路が多く、空き巣に狙われやすい傾向があります。だからこそ、設計段階から防犯を意識し、さらに住み始めてからも家族が実践できる工夫を取り入れることが重要です。この記事では、家づくりにおける基本的な防犯の考え方と、特に侵入経路になりやすい窓やドアまわりの対策について詳しく解説します。

 

 

防犯の基本は入りにくい家をつくること

 

空き巣や侵入者は、侵入に時間がかかる家や、目立ちやすい家を避ける傾向があります。つまり、入りにくい・目につきやすいという条件を整えるだけで、被害を防げる可能性が高まります。設計段階からできる防犯の工夫にはいつくかの視点があります。例えば、通りや近隣からの視線が届きにくい位置に大きな窓を設けてしまうと、侵入者にとって都合の良い死角になりやすいのです。外からの見通しを意識しつつ、敷地内に完全な隠れ場所を作らないことが大切です。さらに、玄関や勝手口などの出入り口は、家の顔でありながら最も侵入リスクの高い部分でもあります。設計時に防犯性能の高いドアを選び、二重ロックや補助錠を標準仕様に組み込むと、安心感が大きく変わります。これらは後から追加することも可能ですが、家づくりの段階で検討しておく方が無理なく自然に取り入れられるのです。

 

 

窓の防犯対策は設計段階での工夫が重要

 

侵入被害の中でも特に多いのが窓からの侵入です。掃き出し窓や引き違い窓は大きく開口できる反面、狙われやすいポイントでもあります。そのため、設計段階で窓の種類や配置を工夫することが非常に有効です。例えば、防犯ガラスや合わせガラスを採用すると、ガラス破りに時間がかかり、侵入者に諦めさせる効果がります。また、1階部分の窓には面格子やシャッターを取り入れることで、物理的に侵入を困難にできます。さらに、設計の自由度が高い注文住宅では、光や風を取り込みつつ侵入リスクを減らす窓のデザインも可能です。高窓や縦すべり窓などは外部から侵入しにくいため、採光を確保しながら安心感を高めることができます。窓は採光や通風といった快適性のために欠かせない要素ですが、防犯の視点を加えることで安全性が格段に高まります。

 

 

ドアまわりの防犯で抑えておきたい基本

 

玄関ドアや勝手口は、家族にとって日常的な出入り口であると同時に、不審者にとっても侵入を試みやすい場所です。ピッキングやサムターン回しといった手口は過去に多く発生しており、ドアの選び方ひとつで大きな差が生まれます。ディンプルキーやカードキーといった複製しにくい鍵を採用すること、補助錠を設置して二重ロックにすることは基本的な対策です。また、ドアスコープやインターホンは、防犯性において大きな役割を果たします。特にカメラ付きインターホンは、不審者が玄関先に立った時に記録を残せるため安心です。夜間の来客対応には、玄関アプローチの人感センサーライトを組み合わせると効果が高まります。家族の安全を守るためには、出入り口の鍵と視認性に重点を置いた対策が欠かせません。

 

 

外構と照明がもたらす防犯効果

 

窓やドアの性能に加えて、外構や照明も防犯に直結します。高すぎる塀や生い茂った植栽は、外部からの視線を遮るだけでなく侵入者に隠れ場所を与えてしまうため注意が必要です。理想はプライバシーを守りながらも、通りからの自然な目線が届く外構計画です。また、照明の配置は防犯において非常に効果的です。玄関や勝手口、駐車場など人の動きが多い場所にはセンサーライトを設置し、暗がりを作らない工夫をしましょう。庭やアプローチに防犯砂利を敷くのも有効で、歩くと音が鳴るため不審者の動きを察知しやすくなります。こうした工夫は日常生活の快適性も高めながら、見せる防犯として機能します。

 

 

家族の習慣が防犯の仕上げとなる

 

どれだけ設備や設計を工夫をしても、日常の習慣が防犯に対する意識を欠いていれば効果は薄れてしまいます。施錠を忘れないこと、夜間や外出時には必ず確認することは最も基本的でありながら重要です。特にトイレや浴室の小窓などは、見落とされやすいため注意が必要です。さらに、長期不在時には郵便物や新聞をためない、照明のタイマーを利用して在宅を装うといった工夫も有効です。地域の人とのコミュニケーションも防犯につながります。近隣住人との関係が良好であれば、不審者への自然な目配りが働きやすく、狙われにくい環境になります。防犯は設備と同じくらい、家族の意識と習慣に左右されるものなのです。

 

 

まとめ


注文住宅は自由度が高いため、設計段階から防犯を意識的に取り入れることができます。特に窓やドアといった侵入経路になりやすい部分は、強固な対策を講じることでリスクを大きく減らせます。さらに外構や照明の工夫を加えることで「入りにくく目につきやすい家」を実現できます。そして何より、家族一人ひとりの防犯意識と習慣がその効果を最大限に引き出します。家のデザインや快適性を考えるのと同じように、防犯も住まいづくりの大切な要素です。設計段階の工夫と日常の行動を組み合わせることで、安心して暮らせる住まいが完成するのです。