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平屋風2階建てって何?見た目と暮らしやすさを両立したその魅力とは
2025.07.28

注文住宅を検討する際に、平屋に住んでみたいと憧れる方は多くいらっしゃいます。しかし、現実には土地の広さや建築コストなどの問題から、完全な平屋を選ぶのが難しいケースもあります。そんな時に注目されるのが、平屋風2階建てという選択肢です。見た目はシンプルでスタイリッシュ、生活は1階で完結できる。それでいて、スペースの有効活用もできるという、ちょうどいい住まいのスタイルが平屋風2階建てです。
このコラムでは、今人気の平屋風2階建てについて、その特徴や、メリット・デメリット、設計の工夫まで詳しくご紹介します。平屋か2階建てかで迷っている方にとって、新しい可能性を見つけるヒントになれば幸いです。
平屋風2階建てとは?その定義とイメージ
平屋風2階建てとは、外から見ると平屋のような落ち着いたフォルムを持ちながら、実際には2階建て構造になっている住宅のことを指します。生活の中心はすべて1階に集め、2階には必要最低限の部屋だけを設けるというスタイルが特徴です。
そのため、平屋のような暮らしやすさと、2階建てならではの空間の余裕を両立することが可能になります。外観は軒の出を深くとったり、屋根の勾配をゆるやかにしたりすることで、平屋らしい落ち着きのある印象に仕上げることができます。見た目も機能もバランスの取れた設計が、多く人に支持されている理由です。
平屋風2階建てが人気の理由 ~メリット5選~
平屋風2階建てが近年注目されているのには、いくつもの理由があります。ここでは代表的な5つのメリットをご紹介します。
まず1つ目は、限られた敷地でも平屋らしい暮らしが実現できることです。都市部や住宅密集地では、広い敷地を確保するのが難しい場合があります。完全な平屋にするには、ある程度の土地面積が必要ですが、平屋風2階建てなら、1階にLDKや寝室、水回りを集中させつつ、2階に子ども部屋や趣味スペースを設けることが可能になります。これにより、30~40坪ほどの土地でも、平屋感覚の暮らしを楽しめるのです。
2つ目のメリットは、ワンフロアで生活が完結するため、将来的にも安心して暮らせる点です。年齢を重ねたときや、体力が落ちたときに階段の上り下りをしなくて済むのは大きな安心材料です。生活動線が1階だけで済むよう設計すれば、バリアフリー住宅としても優秀です。
3つ目は、外観がスタイリッシュにまとまりやすいことです。平屋風2階建ては、屋根の高さを抑え、外観の水平ラインを強調することで、モダンで落ち着いた印象を演出できます。特にシンプルモダンや和モダンとったデザインと相性がよく、洗練された住まいを実現できます。
4つ目のメリットして、建築コストを抑えられる可能性があることです。意外かもしれませんが、完全な平屋は基礎と屋根の面積が広いため、コストが割高になるケースがあります。対して平屋風2階建ては、1階の面積を抑え、必要な部分だけを2階に持たせることで、トータルの建築費用を合理的にコントロールできる場合があります。
そして5つ目は、採光や通風に優れている点です。2階部分を設けることで、周囲の建物や塀に左右されず、南面や上部からの自然光を取り入れやすくなります。特に都市部では、採光計画が快適性を大きく左右するため、これは大きなメリットといえるでしょう。

平屋風2階建ての注意点・デメリット
とはいえ、平屋風2階建てにもいくつかの注意点があります。まず外観についてですが、ボリュームを抑えたデザインは落ち着いている反面、人によっては地味に映ることがあります。見た目にこだわりたい方は、外壁の素材や色味、照明や植栽の配置などでアクセントを加えることが重要です。
また、2階のスペースを将来的にどう活用するかも考えておく必要があります。子供が成長して独立した後などに、2階が使われなくなってしまうと、空き部屋が生まれてしまいます。そのため、趣味部屋やワークスペース、収納部屋など、将来も活用しやすい間取りや仕様をあらかじめ検討しておくと良いでしょう。
さらに、平屋風=安いというイメージを持っていると、思わぬ費用差に驚くことがあります。外観を整えるために屋根形状にこだわったり、1階に必要な機能を詰め込んだりすると、通常の2階建てと同等、あるいはそれ以上のコストがかかるケースもあります。設計段階でのバランス調整が必要です。
平屋風2階建てに向いている人とは?
では、どのような人が平屋風2階建てに向いているのでしょうか?たとえば、土地が30~40坪と限られていて平屋は難しいけれど、ワンフロア生活には憧れるという方。あるいは、将来のことも考えて、階段を使わずに生活できる家にしたい、でも子ども部屋や来客用のスペースもある程度は確保したいといった方にも最適です。
また、シンプルでモダンなデザインが好き、見た目も中身も整ったバランスのいい家がほしいというニーズにも、平屋風2階建てはしっかり応えてくれます。暮らしやすさ・美しさ・将来性を求める方にとって、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
設計のポイント
平屋風2階建てを成功させるためには、設計の段階でいくつかのポイントを押さえることが重要です。まず第一に、1階に生活の9割を集約させること。LDK、寝室、水回りなど、毎日使う空間をすべて1階にまとめることで、暮らしやすさは格段に向上します。
次に、2階はあくまで予備スペースとして設計するという考え方です。たとえば、2階には子ども部屋やワークスペース、納戸を配置し、将来的には使い道を変えられるようにしておくと無駄がありません。汎用性の高い間取りを心がけましょう。
また、勾配屋根や片流れ屋根を取り入れることで、外観にアクセントを加えるだけではなく、内部にロフトや吹き抜けを設けるなど、空間に広がりを持たせることができます。限られた面積でも開放感を演出できるのが、こうした設計上の工夫の魅力です。
まとめ
平屋が理想だけど現実は難しい…そんなジレンマを抱えている方にとって、平屋風2階建てはまさにちょうどいい選択肢です。生活のしやすさや安心感、将来を見据えた設計に加えて、デザイン性やコスト面でもバランスが取れた住まい方といえるでしょう。
注文住宅で何を優先すべきか迷っているなら、一度平屋風2階建てというスタイルを検討してみてはいかがでしょうか。設計や土地条件に応じて、理想の暮らしにぐっと近づけるはずです。