スタッフブログ・家づくりコラム
見えない快適が暮らしを支える。納戸のある家の心地よさとは
2025.05.12

家づくりを考えるとき、どうしてもリビングの広さやキッチンのデザインなど、目に見える部分に目が向きがちです。でも、毎日の暮らしを快適にするためには、「収納」の工夫もとても大切なポイント。
中でも“納戸(なんど)”は、住まいの中に“モノの居場所”をしっかりつくることで、家の中をすっきりと整え、心地よい暮らしを支えてくれる存在です。
今回は、そんな納戸の魅力と、家づくりの中での上手な取り入れ方についてご紹介します♪
納戸(なんど)とはどんな空間?
納戸とは、収納を目的とした小さな部屋のことです。クローゼットや押し入れのような「収納の一部」ではなく、「部屋そのものが収納」というのが最大の特徴です。広さはおおよそ1.5畳〜3畳程度。人が中に入ってモノを出し入れできる“ウォークイン型”の収納空間です。
衣替えの衣類や、クリスマスツリー、ひな人形、季節家電、思い出の品など、普段は使わないけれど手元に置いておきたいモノたち。そうした「置き場に困るモノたち」のための“ゆとりの場所”です。モノにはモノの居場所が必要であり、それがはっきりしているだけで、暮らしは驚くほどすっきりと整います。
納戸があると、暮らしがどう変わる?
暮らしの中で「あれ、どこに置こう?」「これはしまう場所がないな…」と感じるモノは意外と多いものです。納戸は、そうした迷いを解消してくれる“モノの避難所”になります。
たとえば、子どもが描いた絵や工作、使わなくなったけれど捨てたくないぬいぐるみ、シーズンオフの布団やスキー用品…。こうしたモノがリビングや部屋の隅に積み重なっていくと、空間は雑然とし、暮らしに小さなストレスが積もっていきます。
納戸があることで、そういった「今は使わないモノ」たちをまとめてしまえる場所ができ、リビングや個室は常にすっきりとした状態を保ちやすくなります。来客時にあわてて片付ける必要もなくなり、心の余裕にもつながります。
家族構成やライフスタイルに合わせて使える納戸
納戸の良さは、収納にとどまりません。家族構成やライフスタイルの変化に応じて、使い方を柔軟に変えられる「フリースペース」としての価値も持っています。
子どもが小さいうちはベビーカーや育児用品の置き場として。成長すれば学用品や作品、制服やスポーツ道具などをしまうスペースに。さらに、将来的にはちょっとしたワークスペースや書斎、趣味部屋として活用することもできます。
また、急な来客時に荷物を一時避難させる“隠し部屋”的な使い方もできますし、防災備蓄品の保管場所としても優れています。暮らしの中で「何かに使える余白」があることの安心感は、思っている以上に大きな価値なのです。

納戸をうまく活用するためのポイント
納戸を設ける際に大切なのは、広さや場所、通気性といった“ちょっとした工夫”です。
まず、広さは2〜3畳が目安。収納するモノが多くなくても、通路スペースをしっかり確保することで「探しやすく・しまいやすい」納戸になります。
場所は、使うモノに近い場所に計画するのがコツです。玄関横ならアウトドア用品や冬用ブーツ、キッチンの裏なら食品ストックやキッチン家電の収納、寝室や洗面所付近なら衣類や布団の管理に便利です。
また、窓がない場合が多いので、換気扇や調湿建材、明るい照明などもぜひ検討しておきたいポイント。湿気対策をしておけば、大切なモノが傷むリスクも抑えることができます。
注文住宅だからこそ実現できる「理想の納戸」
納戸は、建売住宅やマンションではなかなか確保しにくい空間です。しかし注文住宅なら、動線や使い勝手を考慮した上で、生活にぴったりの納戸をプランに組み込むことができます。
「毎日の暮らしでどんなモノを使っていて、どんなモノはしまっておきたいのか?」
「今後、どんな風にライフスタイルが変わっていきそうか?」
そんなことを一緒に考えながら納戸の設計をすれば、“ただの収納”ではなく、“暮らしを支える機能空間”として生きてくるはずです。

まとめ:納戸は、暮らしの「見えない主役」
見た目には目立たないけれど、家族の快適な毎日を陰で支えてくれる存在、それが納戸です。
ものが片付くことで家の中が整い、空間に余裕が生まれ、心にも余裕が育つ。
納戸は、そんな暮らしの“下支え”をするための小さな部屋なのです。
限られたスペースの中で、どこにどれだけ収納を確保するかは、家づくりの中でもとても重要なテーマです。ぜひ、間取りを考える際には「納戸」という選択肢も加えてみてください。
暮らしにフィットした納戸があれば、家はもっと心地よく、もっと長く愛せる場所になるはずです。